特養介護職員 飴本 聖也 

 清住園に入職してから9年目の飴本です。就職当初は、何をしたらよいのか訳も分からず、ただ業務をこなすという日々が続いていました。何かわからないことがあれば、直ぐに先輩職員に尋ね、教わり、行動するだけの日々を送っていました。

 そんなある日、先輩の一言により、私の意識は大きく変わることになります。ご利用者様のケアについて分からないことがあり、いつも通り先輩に尋ねたところ、「直接本人に聞いてみて」と返答されました。普通に考えれば、この仕事はご利用者様あってのものであり、ご利用者様の心の声に目を向けるのは当たり前のことなのですが、それまでの私には余裕が無く、そのことに気付くことが出来ませんでした。それからは、ご利用者様と積極的に会話することにより、より多くの情報を得ることができ、より良いケアが出来る。そればかりか、会話を重ねるうちにご利用者様との距離も近づき、自然と笑顔がこぼれるようになりました。

 

 「ご利用者様=お客様」という考えでしたが、今ではとても大切な家族のような存在へと変わっていきました。大切な存在であるからこそ、ご利用者様との関わりを大切にし、ご利用者様のことを知り、ケアに繋げていきたいと思います。

 介護の仕事をしていると「死」にも必ず直面します。ご利用者様の最期を見届けることはとても辛いことであり、涙することもありました。しかしそれと同時に、自分よりも何十年もこの世で生きてこられた人生の先輩であるご利用者様の最期を共に迎えることは、私にとってとても貴重な体験であり、誇りに思います。

初めは何も分からなかった私も今年で9年目となり、今では従来型特養の全体を見渡し、業務に反映できるほどに成長することができました。ご利用者様には、ただ単に毎日を過ごしていただくのではなく、清住園に来て良かった、自分の人生は楽しくとても良いものであったと思っていただけるような職場づくりができるよう、日々の関わりを大切にし、満足していただけるケアを提供していけるように、職員一丸となってこれからも努めていきたいと思います。





地域密着型
介護職員 中山 育美


 私の両親は共に末っ子で、祖父母は叔父・叔母家族と同居していました。たまに祖母が東京から2週間ほど遊びに来たりしていましたが、その度に「家族が一緒にご飯を食べてくれない」「おばあちゃんと話もしてくれない」など色々不満を言っていて、家族なのに何でそんな他人みたいになるのだろう?寂しいな…、と思っていました。正直、うちの両親なら祖母にそんなことはしないだろう…と思ったからです。

 でも、この清住園で色々なご利用者様やご家族様と関らせて頂き、家族だからこそ上手くお互いのことが分かり合えないのではないか…と思うようになりました。近くにいるから「言わなくてもわかるでしょ?」「忙しいの、しんどいの、…分かってよ!」そんな感情がお互いにあって、伝わらなくて…一緒に過ごすことがしんどくなってくるのではないでしょうか。

 私たちが東京の祖母と過ごした時間なんてほんの一瞬で、ずっと一緒に同居している家族には私達に理解できない大変さが沢山あるのだと、少しずつ理解できるようになりました。それからは、祖母に手紙を書いたり遊びに行ったり、遠くにいるからこそ出来る事を微力ながらやってきました。

 そんな時に叔母から、祖母が最近訳のわからないことを言い始めたと連絡がありました。肌着で夜中に出て行って迷子になったり、妄想がひどくなったりとのことでした。心配になり、私は休みをとって東京へ様子を見に行きました。私を見て喜ぶ祖母の笑顔は、どこか少し弱々しく元気がないように感じました。施設の利用も嫌がる祖母は部屋にこもりがちで、嫌いだった猫が唯一の話し相手になっていました。2日間しか一緒に過ごせませんでしたが、お洒落だった祖母に化粧をしたり、買い物へ出かけ、大好きな炭酸を買ったり、一緒に食べたいものを教わりながら作ったり、祖母が喜ぶ出来る限りのことをしよう!と必死でした。今考えれば、私の自己満足だったかもしれませんが、その人の為に「何かしよう!喜んでもらおう!」と思う気持ちは、どこかズレていても伝わり、嬉しいものだと思います。私が会いに行った2か月後に祖母は亡くなりましたが、その穏やかな顔を見た時、私は祖母に「ありがとう」と言われているようで、悲しみよりも嬉しい気持ちが先に込み上げてきました。

 この清住園にも沢山のご利用者様・そのご家族様がおられ、様々な家庭環境やそれぞれの想いがあると思います。その関わる全ての方が清住園を利用することによって「子に見捨てられた」「親を見捨てた」と思うのではなく、「家族のありがたみや大切さを感じることができた」と思える手助けになれれば…といつも思っています。

 「親を施設に入れるなんて…」とご家族様が自分を責めることがないよう、ご利用者様の安心できる日々を一緒に過ごしていきたいと思っています。